北朝鮮5日間ツアー感想レポート 藤本 正樹
【なぜ北朝鮮へ?】
私はこれまでに100か国以上の国々を訪れてきましたが、「近くて遠い国」北朝鮮には行く機会がありませんでした。いつか必ず!と思っていましたが、この度訪問できるタイミングができたので、よし!と思い、行くことにしました。
北朝鮮に対する日本での報道は、正直良いものではありません。しかし私はこれまでに、報道の悪いイメージとは異なる国をたくさん見てきました。だからこそ、この北朝鮮という国がどのような世界なのか、しっかりとこの目で見て、心で感じて、自分の言葉で語れるようになりたいと思い、訪問することにしました。
また、ちょうど8月15日ということで、北朝鮮でのいわゆる「終戦の日」を見てみたいと思い、この日程にしました。
【訪問した場所は?】
1日目:中国国境の丹東から鉄道にて平壌市内へ
朝10:30丹東駅を出発!北朝鮮入国後は、どこまでも続くのどかな田園風景を見ながら、親切な北朝鮮のご夫婦になんとお昼ご飯をわけていただき、ご一緒させていただきました。
2日目:板門店観光
緊張の軍事境界線へ。しかし思いのほか現場の兵士さんは親切で、記念写真まで撮らせてくれました。ヨーロッパ人の観光客も多く、緊張感はありつつも思っていた以上にリラックスした雰囲気でした。
3日目:平壌市内観光
平壌市内各地の見どころへ。印象に残ったのは、やはり金日成広場。よくテレビで見るあの広場に自分が立っていることに感動でした!
しかし何より驚いたのは、教育機関が大変充実していることです。人民大学習堂では、平壌市民の誰もが望めば様々な学習をすることができる環境が整っており、私が人民大学習堂を訪れた時は、オランダ人の講師による英語の授業も行われていました。日本語の書籍もたくさんあるんですよ!
また、この日の最後に訪れた学生少年宮殿では、子どもたちが自分の興味関心に合わせてスポーツや芸能など、様々なことを学んでいました。学習環境はかなり充実しており、高いレベルで自分の興味関心を深めている姿が伺えました。
そして何より驚いたのは、施設を案内してくれたのはアナウンサーの勉強をする12歳の女の子です。 その話し方や立ち振る舞いの素晴らしには本当に驚かされました。
4日目:平壌市内観光
この日は8月15日。日本の植民地支配から解放されたこの日は、平壌市内で舞踏会がありました。チマチョゴリに身を包んだたくさんの美しい女性が輪になって踊る様子は、大変心に残りました。
以外だったのは、「反日」の雰囲気が全然なかったことです。歴史的に考えれば、もっと反日のイベントであっても当然だと思うのですが、予想していた以上にはるかに和やかで、人々はみんな祝日を純粋に楽しんでいる様子でした。
5日目:平壌から鉄道にて中国国境の丹東へ
この日も最高の天気。平壌駅でガイドさんとお別れし、美しい田園風景を眺めながら中国の丹東駅へ。国境を超えるときは、本当に名残惜しい気持ちでした。
【ガイドさんや北朝鮮の人々ってどんな人?】
日本語担当のガイドさんと英語担当のガイドさんが2人ついてくれたのですが、お二方ともいつも笑顔で大変親切丁寧で、本当に楽しく北朝鮮を楽しむことができました。正直、もっと厳しい雰囲気で過ごすことになるかと思っていたので、そのギャップにびっくりしました。
日本語担当のガイドさんは1つ1つのことをとても丁寧にゆっくりと説明して下さり、またこちらの質問にも真摯に答えて下さいました。おかげで細かいことまで色々理解することができ、本当に感謝しています。日本についての質問もたくさんあり、純粋に日本への関心があることが伺えました。
英語担当のガイドさんはとても愉快な方で、いつも冗談を言いながら明るい雰囲気を作ってくれました。旅の後半はすっかり打ち解けて、「またぜひ平壌に来てよ!」と、ハグをして別れを惜しみました。英語もとても分かりやすく、色々な面でサポートしてくださいました。
日本の報道を見ていると、北朝鮮の人々はみんな息苦しく生きているようなイメージを持ってしまうと思います。しかし、少なくとも僕が街の様子を見てきた限り、人々はいたって「普通」でした。子どもたちは公園で遊び、学生たちも売店でジュースを買って談笑しながら休憩をし、朝はたくさんの人が路面電車に乗り込んで出勤をしていく。
それはいたって普通の街の様子でした。初日の電車の中ではお昼までご馳走になってしまい、優しい人ばかりでしたよ!危険な雰囲気も一切なく、平壌のイメージはかなり覆されましたね。
【北朝鮮の食事って?】
やはり日本に近い国なので、日本人である私にはどの料理も大変美味しく感じられました。特徴的だったのは、どの料理にも必ずキムチがついてきたこと!やはりここは朝鮮ですね。
個人的に一番好きだったのは、犬鍋です。日本だけでなく諸外国ではあまり犬の肉は食べないので、え?と思う方も多いでしょうが、いやいやどうして、この犬肉、美味しいと思いますよ!とても柔らかくて、そしてそのスープがまた絶品でした。中国でも何度も犬鍋は食べたことがありますが、平壌の犬鍋が一番美味しかったですね。
その次に美味しかったのが、最終日の夜に食べたアヒルの焼肉です。もう食べきれないくらいたくさん持ってきてくださり、大同江(テドンガン)ビールとの組み合わせが最高に美味しかったですね。
【北朝鮮のホテルって?】
今回私が宿泊したのは、平壌高麗ホテルというインターナショナルホテルです。大変綺麗で豪華絢爛なエントランス!さすが外国人客をたくさん受けて入れているホテルだなぁと感動でした。
部屋も大きくて綺麗で眺めも良く、大変リラックスできました。毎夜毎夜ホテルの売店で名物の大同江(テドンガン)ビールを購入し、部屋でくつろぎながら飲んでおりました。しかもテレビではNHKも放送されていて、それを見ながらのビールタイム!こんなにゆっくりできるとは思わなかったので、最高でしたね。
朝のバイキングの食堂に行くと、思っていた以上にたくさんのヨーロッパ人観光客や中国人観光客が多く、これにも驚きました。日本にとっては「近くて遠い国」ですが、全ての国に対して同じような状況というわけでは
【結局、北朝鮮に行ってみてどうだった?】
北朝鮮への旅行を考えている方はさすがに多くはないでしょう。確かに色々な報道もあり、たった1回の訪問で全てが分かるはずもないので、いい加減なことは言えません。
しかし、今回の私の旅に限って言えることは、非常に楽しく充実した旅だったということです。身の危険を感じることなど1度もありませんでした。今回の訪問で、北朝鮮の人々へのイメージはかなり変わりました。
私はこれまで世界中で、同じような衝撃を何度も受けてきました。報道では悪い話ばかり、でも行ってみたら全然違った、という経験を何度もしてきました。良い意味で、今回も同じ衝撃を受けています。やはり何事も、自分の目で見て心で感じないと分からないものですね!
そして、思っていた以上に対日感情は悪くなさそうな印象を受けました。正直日本では、北朝鮮に対してプラスのイメージを持っている人はほとんどいないでしょう。しかし、今回の旅で色々な北朝鮮の方と接していて、決してそれほど日本に対して悪いイメージを持っているわけではないことが分かりました。
どうしようかな?と悩まれている方がおられましたら、ぜひ一歩踏み出す勇気を持つことができたらと思います。1つ大きな価値観を手に入れることができると思いますよ!